深夜、一人考える

AM 00:55
半分開けた窓から入る風が、カーテンを揺らす。
4月初めのひんやりとした空気が肌をなぞる。
 
明かりを消したまま、ぼんやりしている。
通りを歩く人の気配。カラカラと、どこかで窓を閉める音。
  
何気なく携帯を見やる。誰からも連絡なし。
自分から連絡を取ろうとはしない。
   
「知ってる?一人暮らしって結構寂しいんだよ。」
 
寂しげに笑った横顔。心が疼く。
何故今夜はこんなに人恋しい?
 
ちくちくする心を抑えて、外を見る。
窓際に見慣れたシルエット。
 
幾重にも重なった棘つきの葉。
貫く茎は、空へと伸びる塔のよう。
 
差し込んだ月明かりに浮かぶ、眠らずの城――――
 
「フヤジョウ」
   
喚くことなく、嘆くことなく、
ただ静かに、そこにたたずむ。
  
僕はまだ、一人じゃなかった。