げんしけん

んで冬休み中レポートもせずに何をしていたかというと、

げんしけん(1) (アフタヌーンKC)

げんしけん(1) (アフタヌーンKC)

げんしけん(2) (アフタヌーンKC)

げんしけん(2) (アフタヌーンKC)

げんしけん(3) (アフタヌーンKC)

げんしけん(3) (アフタヌーンKC)

げんしけん(4) (アフタヌーンKC)

げんしけん(4) (アフタヌーンKC)

げんしけん(5) (アフタヌーンKC)

げんしけん(5) (アフタヌーンKC)

げんしけん(6) (アフタヌーンKC)

げんしけん(6) (アフタヌーンKC)

げんしけん(7) (アフタヌーンKC)

げんしけん(7) (アフタヌーンKC)

7巻まで読みました。
前から読もう読もうと思っていてなかなか手が出せずにいたので
今回の休みを利用してばーっと読み通しました。
これは、(今更だけど一応)ある大学の文科系サークル
「現代文化視覚研究会」通称「現視研げんしけん)」に
所属するオタク達の日常を描いた作品。
一般的に、現実で言うオタクって世間の風潮からするとイタいとか恥ずかしいと
いったイメージがあるのだけれど、この作品のオタクたちからはそういったもの
があまり伝わってこない。
まあ、漫画っていう媒体の性質上作者が意図してそういったイタいオタクを書こ
うとしない限り、現実で目にするようなオタクと同じイメージを持つことはあま
り無いだろうし、実際にそんなイタいオタクたちばかり出てきても漫画として面
白くないだろうから、あまり気にしてはいないけれど。
というか、現実のオタクも実際どんな人間かとかどんな暮らしをしているのか
とか知れば、そうイタくも感じない場合もあるのかも知れないけれどやはりニュ
ースとかで報道されるオタクを見る限りでは、そのようなネガティブなステレオタ
イプが生じてしまうのでありました。
 
1巻では主人公の笹原が、げんしけんの同じく一年である高坂(オタクかつイケ
メン)の部屋に遊びに行く回があって、そこで完全なオタクルームと化している
高坂の部屋を見た時に笹原の感じた「俺に足りないのは覚悟だ」という気持ちが、
まさに「オタクになるということが如何なる事か」を如実に表している。
それは欲望のままに生きる覚悟であり、同時に自分がオタクであるということ
を認める覚悟のことで、これはそう簡単に出来る事ではないと思う。
実際に僕も数人の友達と話しをしていて18禁PCゲーの話題が出た時につい知らな
いフリをして、さも無関心であるといった体を装ったことがある。
本当は内容を知っていて興味もあったのに。
もちろん今でも、友達にはだれにも自分がオタク的趣味を持っていることを知ら
せていない。僕にはそこまで覚悟がないのだろうと思う。
しかし一昔前のようにコミケやショップに出向かなくとも、インターネットであ
りとあらゆるオタク情報を集められるようになった現在において、自分のような
隠れオタクは割と少なくないのかもしれないとも思う。
自分が隠れオタクだという方は是非御一報頂きたい。
 
んで話は飛ぶけど、この作中での現視研内の人物たちの恋愛が妙に生々しく感
じられた。部内恋愛に関してはリアルで発生しているため、読んでいて少しキツ
かった。僕の所属するサークルでは部員のおよそ4割、実に5組もカップルがいるの
で非常に居心地が悪い。当のカップル達は楽しい嬉しいウキウキ気分の三拍子か
もしれないが、そうでない我々はたまったもんじゃない。目の前でベタベタされ
ると居場所が無くなるし、飲み会に至っては悲惨なんてレベルじゃない。2時間
の飲み会では開始から30〜40分を過ぎた辺りで、各席に散在していたカップルた
ちが次第にくっつきだす。1時間も立てばほぼ全てのカップルが隣同士になる。
しかも飲み会には参加できない人もいたりするので、ひどい時には参加者の6〜7
割がくっついて二人の世界に入っていたりする。こうなるともうどうしようも
ない。早く飲み会が終わるのを願うだけになり、何故高い金を払ってこんな思い
をしているのかと泣きたくなる。
・・・・だいぶ話がそれた。
それで何が言いたいのかというと、これらのカップルがどれもここおよそ8ヶ月
内に成立しているので、昨年は次々とカップルが誕生する様を目の当たりにして
きた。その成立していくまさにその時の様子が、4巻の23話における田中と大野
さんがカップルになりましたという話の内容と酷似しているのだ。
っていうかこれはもう作者が実際にそういう状況を体験したことがあるんじゃな
いかってほどリアル。そうなんだよ、まだ成立したかどうか明らかになっていな
カップルを街で見かけたり(実体験)、一緒にサークルに来るのを目にした
り(実体験)、もうほんとそのまんま。んで同学年の友人がカップルになると何
だかいたたまれなくなって、その割合が増えると徐々にその度合いが強さを増す
のだ。だから、あの少人数で既に2組カップルがいたのは斑目等にとってなかな
か精神的にキツいものが合ったのではないかとも考える。実際23話は自分にとって
かなりショックというかキツい回だった。
 
今読んだ中で特に印象に残っているのは、6巻第32話の斑目が春日部と寿司を食
べているシーンでの、斑目の心情描写だ。
オタクである斑目にとって仮に春日部が全く別の世界の住人ならば、彼女への思
いも諦めがついたかも知れない。しかし春日部から、彼女の彼氏である高坂(同じ
くオタク)とゲームをして遊んだという話を聞いたことで、斑目にとって春日部は
少しだがオタク世界につながりを持ち、完全に違う世界の住人ではなくなってし
まった。この場面での、斑目の「これじゃ 茨の道は俺の方だ」という気持ちと
その悲しく微笑んだ表情が素晴らしくマッチして、非常に切なさを醸し出して
いる。似たような経験のある人なら、涙なしには読めない場面だと思う。
また、話の中では一度も高坂が登場せず、ほぼ斑目と春日部しか出てこないのに
32話のタイトルが「フタリノセカイ」で扉絵は高坂と春日部が手を繋いで歩いて
いる場面というのが、何とも深く重い。斑目に入る余地はないとでも言うかのよ
うだ。
  
この他にも、荻上がコスプレしたり、荻上が笹原×斑目の妄想を絵として具現化
してるところを春日部に見られたときの、荻上の目を見開いた表情と春日部の邪
悪な笑みとか、要するに荻上が非常に良いわけですが、もう挙げ出すとキリが無
いのでここら辺で切ります。
あー、もう休みが終わる・・・。